天冲殺とは

 さる子先生、こんにちは、こざるです。今日は、算命学でよく使われる『天冲殺』について、教えて下さい。

 こざるくん、こんにちは。では早速、天冲殺について、勉強を始めましょうね。

 宜しくお願いします。

 天冲殺は、空間を表す十干と、時間を表す十二支の数の差から生まれた理論なんだけど、簡単に言えば、「行動に精神が伴わない時期」を言うのよ。だから、例えば、天冲殺の年に何か新しい事を始めると、いつもの自分では考えられない様な事をしてしまって、失敗する事が多くなるの。
でも、人間は誰でも、10年置きに天冲殺の年が巡って来る訳だから、そんなに心配する必要は無いのよ。

 へぇ~。天冲殺は、自分本来の考え方ができなくなる時間っていう事なんですね。もっと怖いものかと思っていましたけど、それ程でも無いと知って安心しました。

 今の説明は、膨大な天冲殺理論の内のほんの一部なんだけど、10年毎に巡って来る年の天冲殺の基本的な理解としては、これで良いと思うわ。

えっ。天冲殺ってもっといっぱいあるんですか?

 あるわよ。簡単に言えば、誰しもが所有する天冲殺、宿命の天冲殺、ある時間帯にのみ現れる天冲殺と、大きく3つに分けられ、更に、その中でも数種類に区分する事ができるんだけど、それらは、それぞれ捉え方が大きく異なるの。だって、「算命学と言えば天冲殺!」と言うくらいだから、それはそれは壮大な理論なのよ。今日は天冲殺の基本を学ぶ事にして、少しずつ勉強していきましょうね。

 天冲殺って、そんな壮大な理論なんですね。難しそうだなぁ~。でも、頑張って勉強したいと思います。
ところで、誰でも10年毎に天冲殺になるって言ってましたけど、自分の年の天冲殺ってどうやって知るんですか?

 天冲殺は、自分の生まれた日の干支から導き出すのよ。まず、甲に子、乙に丑、という様に、十干を基準として、十二支を配当していくと、十干の最初の組では、戌と亥が余るの。だから、生まれた日の干支が、甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、己巳、庚午、辛未、壬申、癸酉の人は、全て戌年、亥年が天冲殺となるのよ。

甲乙丙丁戊己庚辛壬癸○○
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥 → 戌亥天冲殺(戌と亥の年が天冲殺)
同じ様に、十干の二組目に、甲に戌、乙に亥、丙に子、という様に、十干を基準として、十二支を十干に配当していくと、申と酉が余るの。だから、生まれた日の干支が、甲戌、乙亥、丙子、丁丑、戊寅、己卯、庚辰、辛巳、壬午、癸未の人は、全て申年、酉年が天冲殺となるのよ。

甲乙丙丁戊己庚辛壬癸○○
戌亥子丑寅卯辰巳午未申酉 → 申酉天冲殺(申と酉の年が天冲殺)
三組目の十干に、甲に申、乙に酉、丙に戌、という様に、十干を基準として、十二支を十干に配当していくと、午と未が余るの。だから、生まれた日の干支が、甲申、乙酉、丙戌、丁亥、戊子、己丑、庚寅、辛卯、壬辰、癸巳の人は、全て午年、未年が天冲殺となるのよ。

甲乙丙丁戊己庚辛壬癸○○
申酉戌亥子丑寅卯辰巳午未 → 午未天冲殺(午と未の年が天冲殺)
四組目の十干に、甲に午、乙に未、丙に申、という様に、十干を基準として、十二支を十干に配当していくと、辰と巳が余るの。だから、生まれた日の干支が、甲午、乙未、丙申、丁酉、戊戌、己亥、庚子、辛丑、壬寅、癸卯の人は、全て辰年、巳年が天冲殺となるのよ。

甲乙丙丁戊己庚辛壬癸○○
午未申酉戌亥子丑寅卯辰巳 → 辰巳天冲殺(辰と巳の年が天冲殺)
五組目の十干に、甲に辰、乙に巳、丙に午、という様に、十干を基準として、十二支を十干に配当していくと、寅と卯が余るの。だから、生まれた日の干支が、甲辰、乙巳、丙午、丁未、戊申、己酉、庚戌、辛亥、壬子、癸丑の人は、全て寅年、卯年が天冲殺となるのよ。

甲乙丙丁戊己庚辛壬癸○○
辰巳午未申酉戌亥子丑寅卯 → 寅卯天冲殺(寅と卯の年が天冲殺)
六組目、つまり、最後の組の十干に、甲に寅、乙に卯、丙に辰、という様に、十干を基準として、十二支を十干に配当していくと、子と丑が余るの。だから、生まれた日の干支が、甲寅、乙卯、丙辰、丁巳、戊午、己未、庚申、辛酉、壬戌、癸亥の人は、全て子年、丑年が天冲殺となるのよ。

甲乙丙丁戊己庚辛壬癸○○
寅卯辰巳午未申酉戌亥子丑 → 子丑天冲殺(子と丑の年が天冲殺)

 なるほど。天冲殺の出し方については、よく分かりました。
今日の授業の最後に、年の天冲殺の時の過ごし方のコツを教えて下さい。

 いいわよ。ところで、以前、干支の勉強をした時に、十干が空間を、十二支が時間をそれぞれ表していると学んだと思うけど、小ざる君は覚えているかな?

 はい。ちゃんと覚えています。

 算命学は、陰陽説が元となっているから、人間の運命を陽・霊魂と陰・肉体に区分して考えているんだけど、ここで言う霊魂・精神を表すのが十干で、肉体・行為を表すのが十二支なの。年の天冲殺は、時間、つまり肉体・行為があるのに、空間、つまり霊魂・精神が無い時期だから、自分本来の霊魂・精神が伴わない行動をしてしまう訳だけど、それならばいっそ、自分の意志を入れない行為をしていれば良いの。

 自分の意志を入れない行為ってどんな事ですか?

 具体的には、頼まれた事だけをする、先生や上司の指示に従って行動する、という様に、受け身の姿勢で過ごせば、年の天冲殺の影響は殆ど無くなるという事ね。そして、この時期には、重要な決断をしない事が大事なの。

 なるほど。じっと動かずに天冲殺が明けるのを待つんですね。

 いくつか例外があるんだけど、基本的には、そういうイメージで間違いないわ。それ以外にも、行動の伴わない世界では、天冲殺の影響を受けないから、只ひたすら何かを勉強するという過ごし方も良いわね。でも、年の天冲殺の間は、それを活かして何かしようとしては駄目よ。ただ、勉強するだけ。

 分かりました。ありがとうございます。

 では、またね。こざる君。天冲殺の理論については、少しずつ勉強をしていきましょうね。

 はい。また宜しくお願いします。

 

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