算命学の占いは、不確定・不確実な未来を推察しているのであって、決して、確定している未来を読み解いている訳ではありません。なので、占いの結果を盲目的に信じる事は、とても危険な事です。
それでは、どの様に算命学の占いを活用すべきかというと、まずは、「占い」とはどういうものなのかを知っておく事が重要です。
占いとは
そもそも、占いというものは、状況が不明な中にあって、何かを決断しなければならない時に用いる道標、地図の様なものだと言えます。人間にとって、占いは道具の一つであるから、その用法を知り、上手く使えば良いのです。
例えば、自分がどうしてもこれをやりたいという事があるのであれば、或いは、確実にこの道に進むのが良いと分かっているのであれば、(状況が明らかだから)占いの出番はありません。一所懸命、力の限りその道を歩んで行けば良いのです。
しかし、失敗するかも知れない、本当に大丈夫だろうか等と不安を抱え、占いに縋る様では、それは、本当にやりたい事ではないし、その道が良いのかも、本当は分かっていないのです。
例えば、「今日の昼飯、何食べよう」と思ったとします。ラーメンがいいかな、焼肉もいいぞ、カレーも捨て難いし、奮発して鰻もいいかな・・・と思いを巡らす訳ですが、この場合、ラーメン・焼肉・カレー・鰻は全て同等であると言えます。
ラーメンを食べたならラーメンを食べたなりの、焼肉・カレー・鰻を食べたなら食べたなりの人生がある訳で、出発点において、その優劣を判定する事は出来ません。又、それぞれの選択の帰結としての未来は、環境の影響を強く受けるので、完全な予測をする事は不可能です。
目の前に複数の道があり、それらは皆同等で、決断し難いという状況にあって、自分の中からは出てこない新たな視点を求める時にこそ、占いの出番があります。これは、道を定める際のみならず、どの様にそれを実行するのかという方法論を考察する際も同様です。
こういう事を書くと、昼飯と人生の大事を一緒にするなと言う人がいそうですが、人生の大事といっても全く同じ事です。明らかにこの道が良い(今日はラーメンが食べたい)という事であれば、迷わずその道を行けば(ラーメンを食べれば)良いのです。そこに占いを活用する意味は殆どありません。
何より大事な事は
そして、何よりも重要なのは、どんな決断をするにせよ、その結果は必ず自分自身で受け止めなければならないという事です。あいつのせいだ、こいつが悪いとどんなに言ってみても、又、あいつやこいつが申し訳ないという気持ちを持っていたとしても、自分以外の誰も、本当の意味で、責任を取る事は出来ません。
故に、一度決断したからには、不撓不屈の覚悟を持って、その道を邁進しなければなりません。少しの不運に見舞われたからといって揺らいでいては、運命の向上もなければ、幸運・満足を感じる事もないでしょう。
そして、たとえどの様な状況になったとしても、今の自分がいるその場所で、自分自身で、喜びと楽しみを作り出していかなければならないのです。
この様な理解と、覚悟があって、はじめて占いを道具として上手に活用する事が出来るのだと、私(=さる山隊長)は思っています。
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『算命学とは』目次
1 算命学の成り立ちと歴史
2 算命学は古代中国で生まれた占星術
3 陰陽説・五行説と暦術思考 ― 算命学の思想の源流
4 算命学で用いられる3つの暦(こよみ)
5 算命学の目的
6 運命と宿命
7 算命学の三部構成
8 算命学の占技の三部構成
9 算命学で分かる事
10 天冲殺で分かる事
11 算命学の占いを活用するに当たっての注意事項
12 算命学を学ぶ意義・利点
『算命学とは』各項目の概要