運命とか、宿命とかはよく聞く言葉であるものの、それを具体的に説明しようとすると困ってしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、算命学において、運命、そして、宿命をどの様に定義しているのかについて、解説したいと思います。
「運命とは、その事物の誕生から終局に至る迄の道筋、動きをいう。」
これが、算命学における「運命」の定義です。簡単に言えば、誕生から消滅迄を一本の道と捉え、それを運命と看做している訳です。
そして、自分の本質を基準として、それが環境と合致し、無理なく自分の気(エネルギー)が燃焼する状態、即ち、幸運・満足を感じる状態を運命が高い位置にある(運命の上昇)と、逆に、環境と合致せず、自分の気(エネルギー)がスムーズに燃焼しない様態、即ち、不運・不満を感じる状態を運命が低い位置にある(運命の下降)と定義しています。
少し難しい話になってしまった様な気もしますが、算命学では、運命という言葉をこの様に定義し、用いています。
動なる運命・静なる運命
次に、宿命の定義ですが、これは、運命の定義が基準となっています。算命学では、運命を極として、陽・動なる運命、陰・静なる運命と区分していますが、この内「陰・静なる運命」を特に「宿命」と呼んでいます。即ち、宿命とは、静なる運命であるという事です。
「動」とは、流れ動く状態を意味し、それに対し、「静」とは、静止して動かない状態を意味しています。つまり、静なる運命とは、誕生した段階で固定化し、後天的に決して動く事のないものを言う訳です。
例えば、その年月日に生まれた、その両親の元に生まれた、男性・女性として生を受けた等、人間には生まれた段階で既に固定し、動かしようのない状態が存在する訳ですが、算命学では、それを宿命と定義しています。そして、動なる運命とは、静なる運命、即ち、宿命の下でのみ(その範囲内において)動であると考えています。
ところで、算命学には、何の注釈も付けずに(注意もせずに)ただ「運命」と言う時は、必ず「動の運命」のみを指すという約束事があります。つまり、算命学において、「運命は・・・」と言う時は、動の運命についてのみ語っている訳です。
では、宿命について語る時は何と言うかというと、「宿命は・・・」、或いは、「静なる運命は・・・」という表現をします。
この様な約束事があるのは、算命学は、自然の法則を知り、それを適用する事で、自分の運命を自分の望む様に作り変えていこうと考えているからです。宿命は、運命(ここでは、極なる運命、即ち動+静の運命を指す。)の一部であるけれども、決して変える事は出来ません。故に、算命学では、決して、宿命を軽く見ている訳ではありませんが、動の運命により重点を置いているのです。
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『算命学とは』目次
1 算命学の成り立ちと歴史
2 算命学は古代中国で生まれた占星術
3 陰陽説・五行説と暦術思考 ― 算命学の思想の源流
4 算命学で用いられる3つの暦(こよみ)
5 算命学の目的
6 運命と宿命
7 算命学の三部構成
8 算命学の占技の三部構成
9 算命学で分かる事
10 天冲殺で分かる事
11 算命学の占いを活用するに当たっての注意事項
12 算命学を学ぶ意義・利点
『算命学とは』各項目の概要