算命学は、自然の法則を捉える為の思想・哲学である訳ですが、何の為に自然の法則を捉えるのかというと、これは、「道」を見付ける為です。ここで言う「道」とは、自分がどの様に生きるかであり、限りある命を何に燃やすのかであり、又、自分の役目を果たす事でもあります。
即ち、算命学は、その人物が、その人物なりの生きる道を探求する為の学問であり、その為には、自分の役目を知る、或いは選択する、又は悟る事が必要であるという事です。
ここで、「役目」という言葉が出て来ましたが、算命学には「役目論」という考え方があります。それは、平たく言えば、人間にはそれぞれ役目があって、それを果たす事で、幸運・満足を感じるという考え方なのですが、算命学は陰陽説の思想でもあるので、人間の役目についても、二元論的な考察をしています。即ち、人間には「有」の役目と「無」の役目があると考えている訳です。
陰陽説では、そして、算命学でも、有・無の二元論的な考察をする事はよくあります。ここで言う「有」とは、「有形」を意味しており、形がある訳だから、当然、目で見る事が出来る訳です。一方、「無」とは「無形」を意味しており、形がない訳だから、目で見る事は出来ません。これが、有と無の基本的な考え方なのですが、それが転じて、有形の世界は現実の世界、無形の世界は精神の世界と区分される様になります。
算命学では、人間には有形の目的と無形の目的という二つの目的があり、そのどちらも達成しなければならないと考えています。この目的というのは、役目と同義であり、即ち、算命学は、人間は有形の役目と無形の役目の両方を果たさなければならず、それをする事によって、幸運・満足を感じ、又、人間性(人徳)が向上するのだと考えている訳です。
そして、どの様にして有形・無形の役目を見付けるのか、又、それを果たしていくのかという具体的な方法を見付ける事こそ、算命学という思想・哲学の真の役目であり、目的なのです。
しかし、無形の目的・役目は、有形の目的・役目を達成した後に生まれて来るものであるから、人間は、まずは有形の目的・役目を果たさなければなりません。そして、その為に使用するのが、算命学の占技、それも天法です。
算命学では、有形の目的・役目は、自分自身で見付けなければならないと考えているのですが、その一助となるべきものが、算命学の占いです。しかし、道が分かったとしても、誰かが代わりに歩いてくれる訳ではないから、苦労がなくなる事はありません。
即ち、富士山に登る為の地図を手に入れても、誰かが山頂に運んでくれる訳ではなく、自分自身で歩いて登っていかなければならないという事です。
転載は禁止ですが、リンクはご自由にどうぞ。
『算命学とは』目次
1 算命学の成り立ちと歴史
2 算命学は古代中国で生まれた占星術
3 陰陽説・五行説と暦術思考 ― 算命学の思想の源流
4 算命学で用いられる3つの暦(こよみ)
5 算命学の目的
6 運命と宿命
7 算命学の三部構成
8 算命学の占技の三部構成
9 算命学で分かる事
10 天冲殺で分かる事
11 算命学の占いを活用するに当たっての注意事項
12 算命学を学ぶ意義・利点
『算命学とは』各項目の概要