陰陽説・五行説と暦術思考 ― 算命学の思想の源流

算命学とは3

 算命学は、古代中国で生まれた陰陽説・五行説、そして、暦術思考が元となって出来上がっています。陰陽説五行説は、本来、全く別の思想なのですが、親和性が高く、それらが結び付いて、今日では陰陽五行説と言われる事が多い様に思います。

 それでは、一つ一つ、解説をしていきましょう。
 

陰陽説・五行説・暦術思考の解説

陰陽説

太陰大極図

 陰陽説の最も基本的な考え方は、「一つのものは、性質の異なる二つのものから成り立っている。そして、それらの力関係(強弱のバランス)は常に推移する。」というものです。例えば、一日は昼と夜から成り立っていて、昼と夜の力関係は常に推移している(流れ動いている)とか、人間という種は、男性と女性から成り立っており、そのどちらがかけても人間という種は存続し得ない(完全なものたり得ない)という様に考えれば、理解し易いと思います。

 尤も、陰陽説と言っても、複合陰陽説や塔崇陰陽説という様に、様々な考え方、種類がある訳で、決して一つの独立した思想ではありません。二分類で考える陰陽説もあれば、三分類で考える陰陽説もあり、又、兄弟関係を模した陰陽説もあれば、親子関係を模した陰陽説もあります。そして、算命学では、その時々で、様々な陰陽説を使い分けています
 

 算命学の占技を用いる際も、又、占技そのものを作成する際も、そして、人間の運命を考察する際も、様々なタイプの陰陽説を知っておく事は非常に重要です。故に、さる命学教室では、相当な時間を割いて、陰陽説の講義を行っています。

 

五行説

 五行説の最も基本的な考え方は、この宇宙(=全ての空間+全ての時間)は、五つの質から成り立っているというものです。裏返せば、この世界に存在する全てのものをその性質毎に分類していくと、最終的には五分類出来るという事です。

五行

 そして、最終的に分類出来る五つの質が、木火土金水(もっかどごんすい)です。即ち、この世界の存在する全てのものは、木性・火性・土性・金性・水性に分類する事が出来る、裏返せば、この世界は、木性・火性・土性・金性・水性の質から成り立っているという事です。

 尤も、五行説と言っても、平面五行説や立体五行説という様に、様々な考え方、種類がある訳で、決して一つの独立した思想ではありません。五分類で考える五行説もあれば、六分類で考える五行説もあり、又、天を直上にあると考える五行説もあれば、天は南方にあると考える五行説もあります。そして、算命学では、その時々で、様々な五行説を使い分けています
 

 算命学の占技を用いる際も、又、占技そのものを作成する際も、そして、人間の運命を考察する際も、様々なタイプの五行説を知っておく事は非常に重要です。故に、さる命学教室では、相当な時間を割いて、五行説の講義を行っています。尚、前に解説した陰陽説と五行説は、結び付いて陰陽五行説と言われる様になるのですが、その過程やどの様に結び付いたのかについては、長くなるのでここでは語りません。

 

暦術思考

暦

 暦術思考とは、耳慣れない言葉であるかも知れませんが、算命学の世界では一般的な用語で、暦(こよみ)を作成するに当たって用いられた理論、考え方の事を言います。尤も、厳密に言えば、それは、陰陽説・五行説の考え方なのですが、しかし、干支暦という暦を作成する為の理論を取り出して、特に、暦術思考という言い方をしています。

 陰陽五行説(陰陽説+五行説)から、空間を分類する十干という符号、そして、時間を分類する十二支という符号が作り出された訳ですが、これら二種類の符号では、暦=カレンダーを作成するには不便でした。

 そこで、古代中国人は、それらを結び付ける事によって、「干支」(かんし)という新しい符号を作成する訳ですが、この際に用いられた考え方、更には、作り上げた干支をどの様に実際の時の流れに適用したのかという考え方、技術論が暦術思考と呼ばれるものです。
 

 例えば、現在も広く用いられている「干支」は、六十干支と言われる様に、60ある事は周知の事実ですが、しかし、十干と十二支が組み合わさって出来上がっているのに、どうして60しかないのか、疑問に思った事はありませんか?

 当然、これにはちゃんと理論・理屈があるのですが、それが暦術思考です。又、1年・1月・1日をどの様に計算するのか、その起算点をどうするのかについて、答えを出しているのも暦術思考です。
 

 算命学は、人間の生年月日の干支を基準として、その運命を考察したり、占いをしたりする訳ですが、干支というのは、暦であり、暦は時間を区分する為に作られたものです。故に、算命学を理解しようと思えば、暦(こよみ)、そして、時間についての理解が必要となります。

(陰陽説・五行説・暦術思考の詳細を知りたい方は、「さる命学教室」で学んで下さい。)

算命学を学ぶ

転載は禁止ですが、リンクはご自由にどうぞ。

 

『算命学とは』目次

算命学の成り立ちと歴史
算命学は古代中国で生まれた占星術
陰陽説・五行説と暦術思考 ― 算命学の思想の源流
算命学で用いられる3つの暦(こよみ)
算命学の目的
運命と宿命
算命学の三部構成
算命学の占技の三部構成
算命学で分かる事
10 天冲殺で分かる事
11 算命学の占いを活用するに当たっての注意事項
12 算命学を学ぶ意義・利点

 

算命学とは』各項目の概要

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算命学は、古代中国で生まれた陰陽説・五行説、暦術思考が元となって出来上がっています。陰陽説と五行説は、本来、全く別の思想なのですが、親和性が高く、それらが…
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