算命学では、グレゴリオ暦、天保歴(旧暦)、干支暦という3つの暦(こよみ)を使用しています。では、暦とは何かと考えてみると、簡単に言えば、カレンダーです。少し難しい言い方をすれば、時間というものを切り取る(=区分する)為の方法論です。
算命学では、生年月日の干支を用いて運命を考察したり、占いをしたりする訳ですが、生年月日の干支とは、言わば「悠久に流れる時間のある一点を、ある基準に順って切り取ったもの」であり、その基準となるべきものが暦というものです。
算命学が用いるのは、基本的には、干支暦なのですが、とは言え、他の2つ、天保歴(旧暦)、グレゴリオ暦も無視出来ません。故に、算命学を学ぶ者は、必ず、それらに関する知識を持っておかなければなりません。
3つの暦
グレゴリオ暦
グレゴリオ暦は、現在我々が一般的に使用している暦(太陽暦)で、1582年に時のローマ教皇グレゴリウス13世によって制定され、現在に至る迄使用されています。日本においては、明治5年12月2日の翌日を明治6(1873)年の1月1日にするという形で導入されました。
我々現代の日本人が、誕生日(=生年月日)というものを考える際は、西暦にしろ、和暦にしろ、グレゴリオ暦によって区分された暦を使っている訳ですが、しかし、算命学で用いるのは、基本的には干支暦であるから、変換作業を行わなくてはなりません。
算命学を理解する為には、その変換作業の手順や約束事も含み、グレゴリオ暦に関する知識が必要になります。
天保歴(旧暦)
天保歴(てんぽうれき)は、日本国において、天保15(1844)年から明治5(1872)年迄、約29年間使用された暦(太陰太陽暦)で、現在使用しているグレゴリオ暦に改暦される直前迄使用されていた事から、旧暦とも言われます。
天保歴と干支暦は、全く違います。これは、グレゴリオ暦の年初=1月1日を基準として、それぞれの暦における年初の日を比較して見るとよく分かるのですが、この解説をすると長くなるので、又、主題から外れるので、ここではしませんが、さる命学教室では、詳細な解説をしてます。
算命学では、旧暦で物事を考える事はないのですが、しかし、算命学の理論が形成されたのは、太陰太陽暦を使用していた時代であるから、少なくとも、太陰太陽暦の考え方については、知っておく必要があります。
干支暦
一般には、干支暦という言葉は耳慣れないと思いますが、算命学において使用する暦は、この干支暦です。即ち、算命学を学ぶ者にとって、必ず理解しておかなければならない最も重要な暦であると言えます。
干支暦は、グレゴリオ暦(太陽暦)とも、天保暦(太陰太陽暦)とも違う独自の理論から作成されています。特徴は、年初を二十四節気の立春としている事、又、月初についても、二十四節気の節(節気)を使用している事です。
(陰陽説の詳細を知りたい方は、「さる命学教室」で学んで下さい。)
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『算命学とは』目次
1 算命学の成り立ちと歴史
2 算命学は古代中国で生まれた占星術
3 陰陽説・五行説と暦術思考 ― 算命学の思想の源流
4 算命学で用いられる3つの暦(こよみ)
5 算命学の目的
6 運命と宿命
7 算命学の三部構成
8 算命学の占技の三部構成
9 算命学で分かる事
10 天冲殺で分かる事
11 算命学の占いを活用するに当たっての注意事項
12 算命学を学ぶ意義・利点
『算命学とは』各項目の概要