占い師のなり方(注意事項編)

 前々回、前回と「占い師のなり方」について語ってきましたが、最後に、耳が痛いかも知れませんが、とても重要な事を話しておきましょう。
 

開業費について

 例えば、東京23区内で、新しく10坪(約33㎡、約20畳)程度の飲食店を出そうとすると、家賃、敷金、礼金、前家賃、不動産業者への手数料、内装費、厨房機材費、食器購入費、初期の仕入代金等、1000万円くらいのお金は簡単に出ていきます。因みに、東京23区内において、新規に開店した飲食店の1年後の生存率は、これだけお金を掛けても、約5~6割と言われています。

 これに対し、「占い師」という商売(個人事業)は、店舗を構えず、自宅で、インターネットや電話を活用し、開業費ほぼ0円(但し、技術の習得に関わる費用を除く。)で始める事が出来ます。仮に、店舗を構えるにしても、商用利用が認められているマンションの一室(5坪=16.5㎡=10畳もあれば十分)で良く、開業費は、7~80万円もあれば十分でしょう。

 しかも、「占い」は、飲食店や物販店と異なり、在庫を持つ必要が無いので、ランニングコスト(その事業を維持する為に、最低限必要な費用)は非常に安く済みます。又、「占い師」になる為に、公的な資格は必要ありません。即ち、「私、占い師。」と言えば、あなたは占い師です。
 

これってメリット?デメリット?

 これらをメリットと思われる方も多く、安易に事業を始める方が多いのが実情です。しかし、参入障壁が低い(誰でも簡単に始める事が出来る)という事は、当然、そこで稼いでいく、生き残っていくのは非常に難しくなります

 故に、食べていけない占い師、コンビニや飲食店のバイトよりも稼げない占い師が沢山いる訳です。とは言え、ランニングコストが異常に低い商売であるから、あまり倒産したとか、破産したという話を聞きません。しかし、食えずにやめていく人は沢山います

 占いは、例えば、テレビやラジオ、ネットや雑誌で見ない日がない位、消費されているコンテンツ(本来は、「中身」という意味ですが、ここでは「商品」と思って下さい。)ですが、しかし、実際にお金を払ってサービスを受ける方は、日々占いを(無料で)見ている人よりも、ずっと少ないです。
 

市場規模は大きいが

 そうは言っても、占い業界全体で見れば、相当な経済規模がある(どこまで本当か分かりませんが、1兆円を超える市場規模があるとの分析もあります。)訳ですが、しかし、パイがそれなりに大きくとも、それを分け合う人数が増えれば、一人が食べられる量が少なくなるのが道理です。

 尚、「占い」の市場規模は、少なくとも、無作為に1万人以上を抽出してインタビューし、1年間に「占い」に消費した金額の平均値を求め、その比率を日本の人口に当て嵌めれば、ある程度の類推が出来ると思いますが、それをやる為には、非常にコストが掛かり、しかも、それをやる実益は殆ど無いのだから、おそらく誰もやらないでしょう。

 という事で、占いの市場規模は、実際には分かりません。先に挙げた、1兆円の根拠も分かりません。しかし、毎日TVや雑誌、ネットで見るくらいだから、それなりの金額であろう事は、間違いないと思います。
 

具体的に計算してみよう

 ではここで、占いの市場規模が1兆円だと仮定して、少し計算をしてみましょう。色々な求人・転職のサイトを見ると、占い師の平均収入は200万円台との記載が多いですが、これは、占い師ではないものの、占いの業界に長くいて、それなりの事情通である私の実感と合致しています。個人的には、専業の人でも、せいぜい250万円くらいだろうと思っています。

 例えば、一件の報酬が3000円、1日当たり3人を占う(少ないと思われるかも知れませんが、コンスタントに1日3人の集客が出来る人は、そうはいませんよ。)として、それが月22日(週休2日の想定)だとすると19万8千円。1年だと237万6千円になります。

 単純に、占い業界の市場規模が1兆円、利益率・経費率が共に50%で、利益が公平に分配されると仮定すると、占い師は、約21万人いる事になります。話半分でも、10万人は優に超えます。しかし、実際には、平均を下回る金額で働く人の方が大多数であろうから、この数値はより大きくなるでしょう。
 

レッドオーシャンの市場であることは間違いない

 私は、占い師は(食えているかどうかは別として)、少なくとも、10万人以上はいるだろうと思っていましたから、この数字を見ても「まぁ、そんなものか。」と思います。尤も、これが正確かどうかは分かりませんが、多くの人が想像するよりも、沢山占い師がいる事は、間違いないと思います。

 需要に比して、供給が過多となっている状態の市場を「レッドオーシャン」と呼びますが、「占い」業界は、正にレッドオーシャンであると言えます。レッドオーシャンとは、即ち、激戦地であり、そこで生き残るのはとても大変です。
 

どんなことも、成功には努力と運が不可欠

 昨今は、簡単に占い師になれる、占い師になれば簡単に稼げると誤解させる様な広告が氾濫していますが、決してそんな甘いものではありません。占い師になる(=デビューする)のは簡単かも知れませんが、その世界で食べていくのは、非常に大変で、その為には真の実力と、努力と、運が必要になります。
 

 非現実的な誇大広告に騙されて、貴重な時間とお金を失う事のない様に、十分注意して下さい。プロになって稼ごうと、時間とお金を費やした結果、コンビニや飲食店でバイトしていた方がまだ稼げたという残念な例は沢山あります。「事業」「収入」に焦点がある人は、占い師という道が本当に良いのか、今一度、じっくりと考えてみたら良いのではないかと思います。

 数ある占いの中で、算命学を学びたい方は、是非、この記事の筆者である私が講師を務める「さる命学教室」の門を敲いて下さい。うちは、経営の話も多いし、誇大広告も出していませんよ(笑)。

(さる山隊長)

 

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