天冲殺と天中殺

 今回の記事のテーマは、「天冲殺」に関する表記についてです。

 株式会社さる山さる子では、算命学の学校(教室)の経営と、命式算出ソフトの製作・販売を行っているのですが、「天冲殺」について、よく聞かれる事があります。

 それは、他の学校では「天中殺」という表記をしているけれども、何故さる山では「天冲殺」という表記をしているのかという事です。
 


 今日の日本の算命学を実質的に作り上げたと言っても過言ではない高尾義政算命学第十三代宗家は、その著書『原典算命学大系』において、古代中国で算命学の前身(万象学)、そして、今日算命学と呼ばれるものが生まれ、日本に伝わる迄、ずっと「天冲殺」という表記がされて来たが、私の代で「天中殺」に改めたと語っています。

 天冲殺論の基礎が、古代中国、殷王朝期に生まれたとの言を信じるならば、3000年以上に亘って、「冲」の文字が使われていたにも関わらず、何故、高尾宗家は「中」に改めたのか、その理由については触れられていません

 しかし、類推するに、算命学において、現存(現在使用)している天冲殺については、その殆どが天中殺(西方天中殺)であるからではないかと思われます。即ち、理論上は、天冲殺は、天東殺、天南殺、天中殺、天西殺、天北殺の総称を言うのですが、「天中殺」以外は殆ど使われていない為、「天中殺」という名称に変更したのではないかという訳です。

 高尾宗家が既に亡くなられている為、実際の所は分かりませんが、しかし、私(さる山隊長)は、「冲」の字の変更については誤りだと思っているので、高尾宗家に逆らって、「天冲殺」と「冲」の字を復活させ、使用しています。そして、これがさる山で「天冲殺」と表記している(「天中殺」を使用しない)理由です。
  

誤りだと考える理由

 では、何故「冲」の字を「中」に改めたのが誤りだと考えているのかというと、次のとおりです。
 

  1.  歴史上、ずっと「冲」の字を使用して来たのであれば、それを変える必要性は全く無い。例えば、算命学は「中庸」を基準として理論を組み立てていて、その「中庸」は時代と社会によって変化するが、「冲」を使うか「中」を使うかは、それとは全く関係がなく、敢えて変更する理由は無い。
  2.  漢字は、表意文字であるから、漢字を変更する事によって、本来の意味が変わってしまう。すると、本来の意味とは、全く違うものを意味する事になり、明らかに不適切である。例えば、「冲」の字には、ぶつかるとか、衝突するという意味があるが、「中」の字には、真ん中とか、当たるという意味がある。漢字は、意味によって当てられているので、それを無視して漢字を変更するのは、明らかに誤りである。
  3.  現在算命学(の占技)で使用している「天冲殺」は、その殆どが「西方天中殺」であるが、一部に「東方天北殺」を使用している。すると、実際は「天北殺」であるにも関わらず、それを「天中殺」と呼ぶ事になるが、これは明らかに誤りである。


 以上の理由により、さる山では、一般名称としては「天冲殺」を用いるのが正しく、「西方天中殺」という限定された範囲を表す際にのみ「天中殺」と表記するのが適当であると考えています。
 

重要な言葉の定義

 今回は、少し難しい話になりましたが、さる命学教室は「言葉の定義」を重視していて、誰かが言った事や、教科書の記載を鵜呑みにするのではなく、何が正しいのかを合理的に考察し、陰陽説・五行説の思想を基準に判定しています。

 これも、さる山さる子の大きな特徴で、合理的に判断するからこそ、机上の空論ではない、実際に使う事が出来る算命学を講義する事が出来るのです。

 合理的で、実際に使う事が出来る算命学を学びたい方は、是非、さる山の門を敲いて欲しいと思っています。オンライン受講も出来ますし、Wスクール・初心者も大歓迎です。

 又、プロの占者や講師になる為の講座(カリキュラム)「星組」だけでなく、楽しく概要を学ぶ事が出来る講座「花組」もあります。

(さる山隊長)
 

 

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